予防・定期検診
Preventive

歯周病になる前に予防することが
大切
「早期発見」「早期治療」などはよく耳にする言葉です。これは何もガン治療のみに限ったお話ではなく、すべての病気に言えることです。そのために、最近では成人のメタボリック検診等が行われています。「病気になりやすい、身体の状態や生活習慣を改善してゆく」ことで、重篤な病気になるのを防ぐのがその目的です。
同じことが、歯科でもあてはまります。
近年歯を失う原因の1位と言われているのが歯周病です。歯周病は全身疾患を誘発したり、歯を失うことで口腔機能が低下し、その後の健康寿命にも大きく関わってきます。
これまでの歯科治療のイメージ
これまでの歯科治療では、歯が痛くなったら歯科医院に行き治療し、それが治れば通院も終了でした。しかしこれでは、歯周病やむし歯になりそうな環境の改善や、早期発見はできず、症状がひどくなってから治療が始まるため、患者さんの負担も、治療期間も長くなってしまいます。
予防・定期検診が健康状態を
保つポイント
これまでの悪循環を防ぐために、定期的な検診をしていただき、口腔内の清掃をメインとした歯周病・むし歯予防をしていただきたいと考えています。
治療を終了した患者さんはもちろんのこと、自分は健康で自覚症状のない方でも、検診を行い、お口の状態や問題点があれば、患者さんと一緒に解決していきたいと考えています。
難しく考えることはありません。何ヶ月に1度、髪を整えるため美容院に通うような感覚で訪れていただければいいのです。あとは、歯科医師、歯科衛生士による専門のケアを提供していきます。気楽に、気軽に予防歯科を受診してみてください。
学校検診が無くなると
お口のトラブルが急増します

保育園、小学校、中学校までは、学校での歯の定期検診があるので、歯科医院に行く習慣がない方でも、お口の変化やトラブルを発見できます。
しかし、高校・大学からは学校での検診が無くなるため、むし歯などのお口のトラブルにかかる子が急増する傾向にあります。
この時期には親の手も離れるため、ご自身でのケアが特に重要となっていきます。
病気を未然に防ぐための
新しい取り組み
「国民皆歯科健診」

歯周病やむし歯を放置すると、口の中だけでなく全身へ影響が及ぶと報告されています。そのため、生涯にわたる健康づくりにおいて歯科健診の重要性はますます高まっている状況です。
実際に現在日本では「国民皆歯科健診」という制度が検討されているのをご存知でしょうか。2022年に政府の「骨太の方針」に盛り込まれ、2025年度からの施行を目指して準備が進められています。ぜひ今からでも、定期的な歯のチェックを受けて、むし歯や歯周病の早期発見や予防を目指しましょう。
歯科医院で行う
予防メニュー
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お口の中の検査
お口の中に異常は無いか、むし歯や歯周病が発症していないかなど、健康状態を確認してきます。
異常がみられた場合など、必要があればレントゲンなどのより詳しい検査を行う場合もあります。 -
歯石除去
スケーラーと呼ばれる専用の器具を使用して、お口の中の歯垢や歯石を除去する処置です。細菌の塊である歯垢が歯石になると、ブラッシングでは取り除くことが難しくなります。そのため、3か月に1度程度のペースで歯科医院でのメインテナンスを受けることをおすすめします。
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ブラッシング指導
誤った歯磨きを継続していると、どんなに頑張っても磨き残しが増え、むし歯や歯周病のリスクが高まります。当院では、患者さんのセルフケアの質を向上させるために、歯磨き指導(TBI)を積極的に行っています。経験豊富な歯科衛生士が、わかりやすくアドバイスいたしますので、歯磨きに関する悩みがある方はぜひご相談ください。
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PMTC
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お子さんのための予防メニュー
- お口の中の検査
- PMTC
- 歯石除去
- ブラッシング指導
- フッ素塗布・シーラントなどむし歯予防処置
歯科医院のPMTCで
得られる効果
- 歯周疾患の改善(歯肉縁下のプラークを完全に除去し、歯肉炎の症状を改善する)
- う蝕の予防、バイオフィルムを破壊し、プラークの再付着を防ぐ。
- 歯質の強化(フッ化物入りペーストやジェルを用いることで再石灰化を促進し、歯を強化する)
バイオフィルムとは
普段歯磨きによって落としきれない歯垢は、細菌とくっつき歯ブラシでは落とすことの出来ないバイオフィルムというすみかを形成します。このバイオフィルムはお口の中のpHを酸性にし、う蝕・歯周病をより起こしやすい状態に変えてしまいます。
PMTCは、歯ブラシでは落としきれないバイオフィルムや歯のいたる所の汚れ・着色を落とし、歯ぐきのマッサージ・歯面のマッサージ・歯面の研磨・う蝕予防のフッ素塗布まで痛みを感じず、リラックスした雰囲気で行わせていただきます。
定期健診をすすんで
受けましょう

当院では、1~6ヶ月に一度の間隔で定期健診を行っております。
その間隔については患者さんのお口の中の状況、お子さんにおいては歯のはえる時期や、はえ変わりの時期などを考慮して決めております。
もちろん患者さんのご希望もありますので、その辺りは柔軟に考えていただいて構わないでしょう。無理なくできることが重要です。
定期健診の重要性

グラフを見ると、定期健診を受けていた方と、そうでなかった方の
80歳になったときの歯の本数は2倍以上の差があります。
歯科医院の利用の仕方によって、これほどまでに差が出るものなのです。
健康な歯がたくさんある人の方が、トータルの医療費が少ないことがわかっています。すなわちお口の健康は医療費の抑制だけでなく、全身の健康につながるのです。
「80歳で20本以上歯を残す」(8020運動)というのはもちろんのこと、「80歳になっても20歳のお孫さんと一緒の食事が食べられる」ことが私たちの目標だと思います。この目標を実現するためには、毎日の丁寧なブラッシングの他に、プロフェッショナルが行うクリーニングが必要となります。
いかがでしょうか?歯の治療はもちろんのこと、メインテナンスの大切さがわかっていただけたらとてもうれしいです。